ヌードなアタシ


マンションに戻ってみると
ケイちゃんの車は無かった。

出かけている。
少し…ホッとした。


アタシ自身
まだ整理がつかないでいる。

ケイちゃんに何か聞かれても
どう答えたら良いのか分からないから。

ちゃんと考えよう…

玄関ホールの階段に足をのせた時
背後でクラクションの音が響く。

振り返るとケイちゃんが
車の窓から顔を出した。


駆け寄ろうとした瞬間
後ろの車が目に留まった。

大介さんの車。
助手席の影は…

瞬くんだった。


アタシの体は凍りついたように動かない。

その場で立ち竦む。



車を停めたケイちゃんは
アタシの横に立ち
背中に手を添え
部屋まで導くように歩き出した。


『大ちゃんが…
瞬くんに会って問い質すって言うから…
私も…同席させてもらったの。
でも、瞬くん
こまちのいる場で話したいって言うから
連れてきちゃったの』


『そんな…』


『勝手な事して…ごめんね。
でもね、ちゃんと話した方がいいと思う。
私だって、納得いかないの…
こまちの親友に、ちょっかい出すなんて
あんまりよ…』


エレベーターを降りる。
玄関のドアを開ける鍵の音。

気が動転していて
何も考えられない…


居間のテーブルに座った時
玄関のドアが開き2人の足音が聞こる。

アタシはうつむき目を閉じた。