ヌードなアタシ


飲み物が運ばれてきた。

長沢さんは煙草を灰皿に押しつけ
火を消した。



『…ん、そういう時の原因は
大体が心変わり、とか。
誰か他に好きな人出来ちゃった…とかじゃない?』



『………当たりです』



アタシはストローをグラスに差し込み
氷をカラカラと混ぜながら答えた。



『人の気持ちは変わっていくものよ。
残念ながら、永遠って…難しいわ。

相手の気持ちが変わった様に
こまちちゃん、あなたの気持ちも変わるから…

いつまでも未練残してちゃ駄目よ』



相手の気持ちが変わった様にか…

瞬くんの気持ちは
いつから変わってたんだろう。

奈緒と会ってすぐ、だよね…



『はい…』


分かってる…
もう、以前のようには戻れない。

瞬くんと大介さんケイちゃん…
4人での幸せな時間も

授業の合間
奈緒との他愛のない楽しいおしゃべりも



『あの、長沢さん…
長沢さんも辛い思いとか、したんですか?』


『そりゃ、もう…』


クスクス笑い…
そして、優しい眼差しで
懐かしむ様に答えた。


『辛い思いも、たくさんしたけど…
時間が傷を癒してくれるの。
今は、素敵ないい思い出よ』