『ローズ化粧品…知ってるだろ?』
『はい』
『夏のファンデーションCMの
モデル選考オーデションがある…
一般公募じゃないんで
モデル事務所数社の中から決まる予定だ』
『はい』
『ウチからは、こまちな』
『はい…』
『面接は…おっと!来週月曜か…』
社長の表情が曇る。
『あ、今週末学校祭なので
月・火曜日と振り替えで休みです…』
『そりゃナイス!
当日は、長沢が同行する…
詳しい事は、彼女が説明するから。
ここの仕事は取りたいな…
こまちに決まったら
特別ボーナス出してやるぞ。
オーラ全開でぶちまけてこい』
『頑張ります』
とは…言ったものの
何をどう、ぶちまけて良いものやら。
『社長、広報担当石田様面談で
アポ入りました。
お急ぎ下さい』
長沢さんは電話を切ると
登録しているモデルのプロフィールと
履歴・職歴が書いてある書類を
保管してあるロッカーから取りだす。
『こまちちゃんの資料です』
それらが入った封筒を社長に手渡した。

