この数日
マンションに着くころには
もう暗くなっている。
奈緒と卓己くんと
3人での練習は、ほぼ毎日。
なんだかんだ言いながらも
けっこう楽しんでいた。
エントランスへの階段を上がると
駐車場に、ケイちゃんの車が見えた。
こんな時間に帰ってるなんて
相当珍しい…
あ…大介さんと仕事の打合せかも。
それなら納得。
あの2人は
プライベートの時間も
仕事が組み込まれている…
『私たちのような業種の人は
皆、こんな感じよ』って
ケイちゃんは嘆いてたけど…
楽しそうに見えるから。
きっと
2人とも
この状態に、満足してるんだと思う。
『ただいま…』
あれ、
大介さんの靴がない。
『おかえりー!ごはんだよー』
玄関に入ると
美味しそうな匂いが漂っていた。