『クラッシックをジャズ調で…
と、思ったんだけど。

実際ピアニカで弾いてみると
きびしいの…
プラス、ウクレレとオカリナでしょ…

どうしても軽やかな音色になるの。

で、変更して…

ジャズのスタンダードな曲を
軽やかにアレンジしてみたよ』




昼休み、アタシ達は中庭の片隅で

お弁当を食べながら楽譜を見て
奈緒の言葉に耳を傾ける。




『わたしが主旋律
卓己くんが伴奏
こまちちゃんがベース音ね。

とりあえず、3曲…』



『ごめん、奈緒…アタシ楽譜見ても
メロディがわからない。
どうしよう?』


『じゃあ、わたしが弾いて録音しておく。

それを聴けば分かりやすいでしょ』



『うん』



『ちょっと聴いてみる?
通して弾いてみようか…』


奈緒は、軽やかなタッチで
曲を弾く。


やっぱり…
奈緒はすごく上手い。

それが、鍵盤ハーモニカでも
充分に伝わる。