その後の数日も百合は屋敷からは殆ど出歩かなかった。 食事も喉を通らないことが幾日か続いたが、しだいにシバに促され食べれるようになっていた。 百合の足元には先日拾ってきた猫が纏わり付いていた。 『ミケ!ご飯よ。』 餌の乗った皿をコトリと床に置く。 『みけ?』 シバが、それはなんだ?というような顔をしている。 『猫の名前はミケって決まってるの!』 そうなのか……と妙なところで感心するシバ。