なんて自意識過剰なんだ…!!


別にお前なんかに迷惑がかかろうと、あたしには知ったこっちゃない。


でも、たまにあそこでサボってるのがバレたら、鍵が新しくなって出入り禁止になると思って…


だから…!!



「……お前の為じゃ、ねぇよ」



色々反論したかったが、やっと言葉に出せたのはその一言だけで。


これじゃあまるで、本当に肥後の為に嘘を吐いたツンデレ女みたいじゃないか。



あたしの予想通り、肥後は口の端をクイっと持ち上げて、ニタニタと気持ちの悪い笑みを作った。


「…ふぅん…?……まあ、良いけどね」



コイツ、絶対誤解してる。



でも、何だか喉がカラカラで何も言葉が出てこない。



もう…っ!!だからこいつと一緒に居るのは嫌なんだ……!!!



顔を背け、唇をかみしめていると スッと肥後の気配が遠ざかった。


ゆっくりと正面に目線を戻す。


肥後はもう、ドアのすぐ近くまで移動していた後だった。


「……ちょっと意地悪しすぎたね。

じゃ、また後でね、ジュノ」



そう言って手をひらひらと振って、さっさと出て行ってしまった。


ホント…調子狂う…。