無情にも昼休み終了の金が鳴り響いた。
……ああ、夢だコレ。
「おいジュノお前…」
「ミツ。何故助けない。ゴリラの真似をあたしがいつした!!」
「お前なら何とかできると思ったから……。
っつーか顔、赤いぞ。
まさかマジで感じてたんじゃねぇだろうな」
…普通そんな事を聞くか?彼氏でもねぇのによ。でも答えないと五月蠅そうだし。
「感じてません、ええ、断じて」
真顔で言ってみた。
ミツはホッとした顔を見せて、いつもの笑顔に戻る。
「それならいいけど…。
良いか、襲われたくなかったらアイツと二人きりになるんじゃねぇぞ。良いな?」
「……良いけど」
そんなシチュエーション、どうやったってあるワケが無い。
ため息を吐いて、五時間目の選択授業の準備を始めた。



