人差し指が、見る見るうちに唾液にまみれていく。
てろてろと糸を引くそれを見ているうちに、何だかとてつもなく恥ずかしくなって…。
「エロい…」
自分の指が、異性の舌によって刺激されている事がこんなに卑猥だったとは。
すっかり体温が変わってしまうまで、抵抗することすら忘れていた。
ちゅっ…
最後は吸う様に離れて言った肥後の舌。
口の端から紅いそれをチラリと覗かせながら
「…感じちゃった?」
なんて言ってのけてしまうコイツに ムカついてムカついて…!!
「誰が感じるかよこの糞野郎がっ!!」
「ブッ」
思わず立ち上がって、脳天に肘を打ちこんでしまった。
「あ、やべっ」
そのままの勢いで床に倒れ込む肥後。
バタリと床に着いた瞬間、今まで黙っていた女共が、ハイエナの如く肥後を取り囲んだ。
「今なら保健室に運べる…!!」
「一回保健室でヤりたいと思ってたんだよね…」
「抜け駆けはしないでよ!?みんな平等にチャンスを振り分けましょっ」
せ~のっ
…こうして、唖然とするあたしと男子一同を残し、女共は肥後を抱きかかえて教室を出て行ってしまった。



