ありがとう
って言われる様な事なんて、してない。
これがあたしにとって当たり前の事だし、世間一般でもそうだと思う。
でも夏輝にとっては当たり前なんかじゃなかった事で。
きっとそいつらも悪いし、夏樹も悪い。それは本人が一番自覚して反省している。
世間知らずのお嬢様も、経験して学習していくんだなって思ったらなんか、今まで苦手だと思っていた感情なんてどっかに吹っ飛んで行っちまった。
「…ちょっとお前の事、好きになったよ」
そう言って微笑んでみせると、
ガタっ
男性陣が焦った顔で立ち上がった。
「…ジュノさん…私は…え…?ナッティ…」
とナッティパパ。
「え?マジ…?いや、落ち着け、お前は女だぞ!!」
お前が落ち着けよとつっこみたくなる発言をするミツ。
「…………」
何か言えよ肥後…。
それにどう勘違いしたらソッチの意味に捉えられるんだよ馬鹿どもが。
「あの、」
説明をしようと口を開いたら、ナッティパパが急に大声を出しやがった。
「解散ーーーー!!!もう解散解散!!やめだやめっ!!
ナッティに近寄る男共を排除しろーー!!!」
「は?」
超展開!!
呆気に取られる子どもたち。暴れ出すパパン。
「あらあら…これじゃあ今日はもうお開きになりそうね。暴れ出したら中々止まらないから。
皆さんごめんなさいねぇ…。今日の所は帰って下さる?」
呑気に言いながらあたしらを家から追い出すママン。



