苦い舌と甘い指先



まぁ、そんなテンションを保ったまま、ナッティママが拵えた

いかにもクリスマス!!って感じの料理を食べ終えた頃



「はい、コレあたしから皆に!」



夏輝が何処からか大きな包みを3つ、手にして戻って来た。


「コレがジュノちゃんで、こっちがトシ、そんでコレがミツに」



リボンの色で誰用かを決めていたらしく、あたしには赤とシルバーの綺麗なリボンの袋が渡って来る。


だけど


「…すまん、あたし何にも用意してないんだけど…」



まさかプレゼント交換があるとは思わず、ふっつーに手ぶらに近い状態で来ちまったんだが。


夏輝は少しの間きょとんとした顔を見せていたが、急に高い声で笑い始めた。


「あっはっはっはっははうぇっ」



うぇっ…って大丈夫かお前…。


「うははっ…いっいいんだってへへへっ…これははははっあたしが勝手にへへへうはっ」


「ナッティは、良いんだって、これはあたしが勝手に と言ってるわ」


いや、ナッティママ通訳必要ないっす。どや顔しないでください。



腹を抱えながら、時折しゃっくりにも似た音を出しながら笑い続ける夏輝に苦笑いを返す。



「そ…そうか…?でも貰いっぱはあたし的に嫌だからさ…今度お返しするわ」


「あーーーうへへっ…ごほっ…うん。じゃあ、お言葉に甘えてうはっ」


若干笑いが残っていたが、笑い茸食ったみたいな症状は治まった様だ。



涙をティッシュで拭きながら、夏樹はあたしの向かい側に腰を下ろす。



「ふーー…ごめんね、笑いなかなか止まんなくて。今までそんな事言われた事無かったから。

今まで…友達だと思ってた子たちに同じ事してたら、お返しなんて一切貰えなくて。いい金づるだったんだろうね。

そんな事にも気付かないで、皆を必死で引き留めようと貢ぎまくってたあたしも悪いんだけどさーー。


だから、ジュノちゃんみたいに、あたしを金づると思ってない様な子と出会えてすっごく嬉しかったんだ…。ありがとう……」