施設からアパートに帰って来た。 駐車場から自分の部屋を見上げると、電気がついていて裕介と優香が待っていてくれてることがわかる。 玄関を開けると、いい香りが鼻を掠めた。 「ただいま」 「あ、お帰り~」 優香が笑顔で出迎えてくれた。 玄関から見える部屋には裕介しかいなくて美雨の姿はなかった。 一瞬“ドクッ”と胸が高鳴る。 「美雨、は?」 優香に恐る恐る聞いてみる。 「隣の部屋だよ」 「そっか……」 優香の返事を聞いて、ホッと胸を撫で下ろす。