教師って皆の前に立って喋る仕事だから、皆こういうの得意なのかもしれないけど、あたしは大の苦手だ。 ま、待って! 最後にカンペを見て…… 「……先生っ、高橋先生!!」 自分の名前を呼ばれ、ビクッと顔を上げると皆があたしに注目していた。 「高橋先生、次挨拶ですよ!」 隣の新人教員が焦りながらあたしの肩を叩いた。 『…えっ!!』 慌てて立ち上がってマイクの前まで行くと、何人もの顔がこちらを見ている迫力に圧倒された。