それでも私はあなたが好き




「ひかり、悠馬くんのこと好きなんでしょ。見てれば分かるよ」

「うっそ…」


そんなに私って分かりやすいのかな。

もしかして、悠馬くんも分かっちゃってるかな────




「あたしがひかりを見ると、いつも悠馬くんのこと見てるもん。いつ言おうか迷ってたけどね」


「そっか…バレてたか」





『今から3年生の試合だってー!!』
『絶対見ないと!』

女子生徒達が、そんな話をしながら私達の横を走って行った。





「不思議なの?悠馬くんて」


「不思議っていうか…気付いたら視線が市ノ瀬くんにいってるの。だから、好きとか そういうのは私、よく分からない。でも…好きなのかも」


自分で言っててもよく分からなくなってきた。

結局はどうなんだろ────


どこからが好きなんだろう。



「そっか。そんなに好きなんだね」

真央は一人で納得していた。

私には、真央が何を根拠にそう言っているのか分からない。


「私、そこまで好きとは言ってないけど────……ねぇ真央。好きってどういうことなの??」





「好きってのはね…」


真央は中庭のベンチに座った。

そして、私も真央の隣に座った。