「もういいよ!行こう ひかり」
「あっ、うん」
私は真央に手を引っ張られた。
最後にチラッと彬達を見ると────やっぱり彬だけがニコニコして私達に手を振っていた。
「もー、なんなのアイツ」
体育館を出て、真央がプンプンしながら言った。
「アイツって?」
「彬」
そう真央は即答した。
あれ。真央っていつから彬のこと呼び捨てしてんだろ。
さっきは『ひかりって…天野くんと知り合いなの!?』て言ってたよね?
ま、いっか。
「良い人じゃん」
「あたし、ああいうチャラいの無理だから。どっちかというと────…」
真央は突然話の続きを言うのを止めた。
そして私の顔をニヤニヤしながら見て言った。
「ごめんひかり。悠馬くんは ひかりのものだもんね~」
「────はあっ!?」
なななっ、何で真央が知ってるのーーーー!?


