「お疲れ様、天野くん」


「ありがと!負けちゃったけどね~。あ、4組はひかりのクラスか」


「うん」


「じゃあ、悠馬にはもっと頑張ってもらわないとな!!」


天野くんは市ノ瀬くんの肩をバシバシ叩いた。





「あ、天野くん。市ノ瀬くん疲れてるから────…」

「おっと…そうだな。わりぃわりぃ」



天野くんはすぐに止めてくれたけど…私、何言っちゃってんだろう。

まるで市ノ瀬くんの彼女みたい。


彼女なんて…絶対なれっこないのに。




「てかさ、ひかりって俺のこと何て呼んでる?」

「え?天野くんって呼んでるけど」


ダメ、だったのかな?

もう名前すら呼ばれたくないって??




「彬でいいから。俺、苗字で呼ばれるの得意じゃないんだ」

「え、良いの? 」


「うん。今呼んでみて」

「じゃあ…彬」



私が“彬”にそう言うと、彬の顔は真っ赤になった。