「うわっ!」

トンボさんは後ろの人に潰されそうになります。

しかしとりあえずは触れるだけで潰されずにすみました。



「こんな事が続くと僕本当に潰されちゃうよ・・・。」

トンボさんは一生懸命引っかかった足先を動かします。

けれど一度ひっかかった足はなかなかとることは出来ません。



すると、ガタン!電車は止まりました。

そして、ドアが開くと何人の人が外へ降りて行きます。



「僕も、もう外に出たいよ・・・。

こんな窮屈なところなんかいたくないよ・・・。

やっぱり僕は広い空を飛ぶのが一番だったんだ。

もう飛ぶのが面倒臭いなんて言わないから、誰か助けて!」



トンボさんの大きな目から涙がこぼれそうになりました。

するとその願いが通じたのか、一人の女の子がそのトンボさんに気がつきました。