そんな風に考えながら、それとなく様々な男女を眺めていた。


 中学生にしか見えないカップル。


 年配の夫婦。


 ホストとキャバ嬢の様な二人組。


 次から次へと、視界の端へ消えていく。


 道路を渡るために横断歩道の前に立った。


 そして反対側の歩道にいる二人の男女へと視線を移した時、思わず目が釘付けとなってしまった。



 驚きのあまり、茫然としたが、すぐに自分を取り戻して目を逸らす。



 それから、その二人組には見えないように、右手で自分の顔を隠した。


 しかし、人差し指と中指の間からは、しっかりとその二人を見据える。