ふと気が付いた。 俺は少なからず彼女に好意を抱いている。 好きという気持ちにはまだ届かないけど、チリチリと、それでいて静かに。彼女に対する想いが、形を作り始めている。 「一緒に住むんだから、もう敬語とか使わないでね。私はそういうのあんまり気にしない方だから」理那はポテトチップスをカゴに放り込んだ。 「はあ、分かりました。少しづつ直していきます」俺はどんどん重くなっていくカゴを強く掴みながら思った。 もしかして、これも俺が払うのかな……