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学校が終わったのは昼の12時過ぎ。俺と彼女、藤木は、昇降口で待ち合わせていた。
息を吐くと空気が白く濁る。
雪が降るとまではいかなくとも、寒さは尋常じゃなかった。
「お待たせ」
マフラーを口元まで引き上げた瞬間、後ろから声をかけられた。
振り向かなくてもわかる。俺の後ろには、帰り支度を整えた藤木。
さらさらの長い髪の上から、真っ白なマフラーを巻いていた。
彼女の細い体型を際立たせる様な紺色のカーディガン、その端から少しだけ覗くチェックのスカート。
揃えた前髪の下にあるくりっとした大きな瞳が、俺を真っ直ぐ見つめていた。
一気に体が火照る。
寒い?誰が言ったよそんなこと。
「待った?寒かった?」
「や、全然、全然平気!」
「じゃ、行こっか」
「おうっ」、テンションの一気に上がった俺は、変な掛け声とともに彼女の横に並んだ。
そんな俺を見て、彼女もふっと笑う。
「やっぱり河口、面白い」



