……………

耳障りな音で目が覚めた。

目覚ましなんかかけなきゃよかった。どうせ予定なんてないんだし、寒くて死にそうなんだし。

無理やり手を伸ばして携帯の目覚ましを切る。ついでにメールをチェックしてしまい、一層気分が滅入った。

…何期待してんの、あたし。

新着メールも着信もない携帯をなるべく遠くに投げて、無駄にふかふかの枕に思い切り顔を埋めた。


『イブは一緒に過ごせないよね?』


あんなメール、送るんじゃなかった。

だいたい内容が嫌らしい。
『過ごしたい』とか『過ごせる?』じゃなく『過ごせないよね?』って、無駄にプレッシャーかけてるみたい。
どうせ計算高い女だ。わかってるけど、そんな自分が嫌い。

手を伸ばしてカーテンを開けた。
ひんやりした空気が窓越しに伝う。

よかった、雪は降ってない。
ホワイトクリスマスなんて、死んじゃえばいい。