ごめん


もっと早く気付いていれば、まだ楽だったかもしれない


俺が最初のあの声で場所を突き止められていればよかったのに



パトカーのサイレンが聞こえてくるまで俺はずっと抱き締めていた




その後


男は警察に連れていかれ、俺と彼女…遥希は事情聴取のため一緒に警察署に向かった


そして、警察署を出たのはもうすでに日付が変わった夜中だった


遥希は両親に連れられ先に帰っていった



「はぁ…」



まさかこんな形で番号聞くなんてな


ついさっき、遥希の両親が

「お礼がしたいから連絡先を教えて下さい」


と言われ


「お礼はいらない」と断ったのにいつの間にか携帯は両親の手の中にあり、気付けば遥希の自宅の番号が入っていた