お母さんとお父さんは私のことをとても可愛がってくれました。愛してくれました。
いつも一緒にご飯を食べて
いつもたわいない会話をして
いつも笑顔で過ごしていました。
だけど年に一度、四月四日だけは私を部屋から出してくれませんでした。
そしてリビングからはお母さんのすすり泣く声と知らない男の人の声がしました。
知らない男の人だったけれど、幼い私にとって何か魅力的で
一度だけ、約束を破って部屋から出てしまいました。
バレないように、階段からこっそりと玄関にいる男の人を覗きこみました。
初めて見た声の主は18歳位の若い男の人で
黒髪に漆黒の瞳が魅力的な人でした。

