二 億 円





ピピピピピ




チチッチチチチ チチ




耳障りな音で目が覚めた。


ああ、そういえばあの後意識を失って…─





「お目覚めですか?ひなた。」



爽やかな笑顔を私に向け、挨拶をする彌生様。

昨日の壊れた様子なんて微塵もない。



爽やかな好青年、とでもいっておこう。





「目が覚めたのであれば、朝食を取りましょうか。その後、部屋へ戻りなさい。」



さらさらと軽く説明をされ、半場無理矢理連れて行かれる。



首輪は付いたまま。でも紐は付いていないため、ペット気分は味あわなくて済みそうだ。







「さあ、お食べなさい。」




!!!!!!!?






そういわれ、絶句した。




確かにテーブルには朝食が準備してある。温かい珈琲に焼きたてのトースト。至ってシンプルな朝食である。


だけど 一人前。








そして、床に置いてある真っ白な皿に注がれたミルク。






「さあ、お食べなさい。」