いつからか、僕の中から妬みは消えた。 「お茶を、お持ち致しました。」 叩き込まれていく知識の代わりに。 まるで抜け落ちていくように。 「ありがとう。」 羨ましくて、妬ましかった兄さん。 けれど優しくて、僕を見捨てなかった兄さん。 兄さんに認めてもらいたい。 兄さんに頼ってもらいたい。 兄さんに。兄さんだけに。必要とされるなら…―― 僕は、どんなに汚いことだって、どんなに恐ろしいことだって、お手伝いするって決めたんだ。