返事は即答でした。
「あんたみたいな下卑お断りよ。」
「光栄ですね。では明日デートしましょう。」
「は、え…あんた人の話聞いてんの?」
「美味しいレストランを予約しておきます。父の知り合いの店で、とてもお洒落で…きっと、刹那さんもお気に召すかと思いますよ。」
返事は【 No 】。けれど僕にとってその場の返事なんて関係無かった。
「あんたって本当に分からない奴。悪いけど、明日はバイトがあるの。お洒落なレストラン?そんなのそこらの派手な女とでも行けば?」
カツカツ、と優雅なヒールの音を響かせ、刹那さんは去っていった。
周りの野次馬は、私ではなく刹那さんにくびったけ。
理由など聞かなくても貴女の後ろ姿で分かりましたよ?
「あの刹那ちゃんが頬を赤らめるなんて…やっぱり彌生くんってすごい。」
所詮、貴女も 女 。

