愛しくて 苦しくて

「はは、可愛い、好きな人?」




可愛い!?




私はその一言に釘付けだった。




胸が〝きゅ〟と縮む気がして。




胸は痛いようで、嬉しいような感情だった。




「か、か、か、可愛いなんて、とんでもないです…好きな人も…」





最後が濁った。




好きな人…って誰?




…分からない。




自分でも分からないなんて、情けない。