愛しくて 苦しくて


私は校庭でサッカー部を見る。




そこには栗岩くんの姿があった。




私は栗岩くんを少しだけ見て帰ろうと思った。




「誰見てんの?」




振り向くと鈴木先輩だった。




―ドキッ―




顔を見るだけで、近くにいるだけで、声を聞くだけで頬が赤く染まる。






「い、いえ、違います」




私はうつ向いて答える。