「江口っておどおどしすぎだろ」




俺は大声で言った。




江口は振り向き俺を見る。




―ゾクッ―




江口は俺を、俺を…。




悲しげで…悲しい綺麗な表情で俺を見ている。




悲しい以外の感情は無いかのような目で…。




俺は少しでも江口を悲しませた。




「なによ、栗岩!!まーちゃんの事悪く言わないで」




言いかえして来たのは何故か田畑だった。




まーちゃんって呼ばれているのか…麻衣だからか…。




俺にまーちゃんと呼べる日は来るのだろうか。