「江口も、泣きそうな顔するな」




俺は、そう言って江口に抱きついた。




俺は、抱きつけて幸せだった。




江口に、こんなに、触れられて。




「やめて」




江口は、そう言って、走ってどこかに行った。




きっと、あいつのもとへ行ったんだ。




鈴木風のもとへ。




結局、俺はあいつに勝てないのか?




そんなんじゃ、嫌だ。




そんなんじゃ…。