愛しくて 苦しくて

「江口…」




俺が名を呼ぶと…江口は顔をあげて俺を見つめる。




江口の視線が俺に向けられる。




江口が俺を…俺だけを見てる。




それだけで、嬉しくて…。




胸が一杯だった。




「栗岩くん」




…やばい。




泣きそう。




名前を覚えていたなんて、思ってもみなかった。