――前触れなんて無かった。 ごく普通の日だったと思う。 朝起きて、学校に行って、夕飯作って。 ただ違うとすれば、今日は家族みんなが珍しく揃ってた事かな。 姫ちゃんが夕飯の席にいる事だけが違った。 でもそれ以外は、何もなかった。 何もなく、一日が終わっていく。 誰もがそう思ってただろう。