「彗ちゃんが、居なくなった!」



そんな流ちゃんのセリフを耳にしたのは、この変な感覚に襲われ始めた、少し後だった。



『居なくなった』、なんて……どう言う事?

私は『ここ』に居るのに。



頭の中で、そう思っていた。



確か、私、出掛ける準備を終えて、姿見で最終チェックをしているところだったのよね。

そうしたら、急にめまいがして……。



今は回りの音が無で、私の体は宙をさまよっているような……そう、浮遊感。



そして、めまいを感じる前とは打って変わり、今はとても……孤独な気分。