一方、学校の女子トイレでは誰の人影もおらず、一つの個室だけが閉まっていた。 そこの個室だけ、水で濡れていて、その中にいた千晶はずぶぬれで泣いていた・・・。 「いつまで、こんな事が続くのかなぁ・・・。」 千晶がそう言っていると、ピチャッと何か音がした。 その音の方を千晶が見ると、足で小さな紙くずをふんでいた。 千晶はそれを拾った。親指にちょこんと乗るぐらいの小さな紙だった。 水でふにゃっとなっていたが、その紙に書いてあった字はかろうじて読めた。 そこには“幸”の一文字が書かれていた。