静かになった保健室。


保健の先生は、千晶が寝ているベッドの少し離れた所の椅子に座った。


「そういえば一人、見たことない子がいたわねぇ・・・。あれが、坂口さんのクラスに来た転校生かしら?もう、転校生と仲良くなったのね。坂口さんの事、一番心配そうな顔してたもの。」


保健の先生はそう言いながら、机にあったカップに入った熱いブラックコーヒーを飲んだ。


「・・・・。」


千晶は、布団を頭までかぶって何も話さなかった。


「いいわねー坂口さんには、良い友達がいっぱいいて。」



「・・・・。」



保健の先生が千晶に話しかけている間、千晶は一人、静かに泣いていた・・・。