「そっか」


その人は安心したようだった。


「じゃあ、さようなら」


私は頭を下げてから走り出した。


途中で一度振り向いたらその人がまだ私を見送ってくれていたので、手を振ったら、右手をちょっと上げてくれた。


私がエントランスに入ろうとしたとき、低いエンジン音が響いた。



私はまた手を振った。


その人はエンジン音を2回ふかして、走りだした。


私はその後ろ姿を見えなくなるまで見ていた。


私は星空を見上げた。無数にある星のほんの一握りしか見えていないんだろうけど、星空がひろがっていた。


レグルスとスピカが輝いていた。



・・・あっ、名前聞いてなかった・・・