「困るんだよね。勝手に手懐けちゃうと」 お兄さん達は決めぜりふを残して、早々に立ち去った。 女の子も簡単なお礼を述べて走り去った。 二人だけになった。 「どうして、こんな時間に一人で出歩いてるの?」 「……」 「そんな僕との同室が嫌だった?」 戯けたように、葉月が言う。 「もしもの事があったら、どうする気だった?」 怒気を含んだ声。 「部長さん」 やばい…。顔を上げたら泣いてしまう。 「つっ…」