暫く歩くと本当に泉があった。

「よかった、あった」

さて、双子はどこにいるのか。
泉周辺を見渡すと

「…………」

泉の反対側で少女らしき人物がしゃがみこんで何かに話し掛けている。

「あれがそうかな?」


長い金髪にエプロンドレス。

「あっちの方がアリスだろ」

ゆっくり近づいて行くと気配に気付いたのか少女が振り返る。

「…………」

綺麗な青い瞳がものすごく不審な目でこちらを見ている。

「あっ…あのここに双子がいるって聞いたんだけど」

すると少女は立ち上がりスカートの裾に着いた汚れを払うとニコリと微笑む。

「何か用かしら?」

「あっやっぱり君なんだ」

やっとまともっぽい人間に出会えてほっとしたのも束の間

「あたし達がその双子よ」



「達って、もう一人は?」

「ここにいるわ」

そう言って自分を指差す。

「…………えっ…と」

言ってる意味がよくわからない。

「一人で二人なの」

それはつまり、

「二重人格………?」

「違うわ、私が姉のリリーそして」

そこで少し低めの声になり

「私が妹のマリーよ」