愛していたのに



しゅ、とアンディエットの首筋に剣が通った。


流れる血。
致命傷になりはしないが、痛みと“本気”であることが脳に伝わってくる。



なぜ、なぜだ。
アンディエットは考えて、あることを思いつく。


「そうか、一緒に死にたいんだね。あちらの世界で永遠を手に入れてずっと愛し合いたいのか」


そうと分かればとアンディエットは剣を手にして、彼女の剣に打ちつけた。


交差する剣。
片や、歯を食いしばり。
片や、口を綻ばせて。


「君の願いだものね、永遠に愛したい、は。絶望に捉えられる死も君となら素敵な第一歩だ。誰もなしえなかった永遠の愛を掴むことができる」


剣を押す彼に耐えられず、プーラは後退した。


しかし、また刃向かう。


機械的な――マニュアル的な剣さばきのプーラに、飄々とし笑うアンディエットの剣。


柔軟性まとった相手ほどやりにくいものはなかった。