でも、聖也は追いかけない。

「いいよ 追いかけてきなよ そして、あたしと別れて」

「・・・くっ ごめん」

そう言うと、聖也は詩織を追って飛び出した。

「どうしたの!? 羽衣ちゃん」

香奈さんと、拓哉さんが来た。

でも、視界は滲んでいく。

聖也から貰った羽のネックレスが、涙で濡れた。

「うっ・・・ひっ・・・」

「羽衣」

「羽衣ちゃん」

そっと、抱きしめてくれる香奈さんの胸で泣いた。

わんわん泣いた。

でも、涙は止まらない。

拓哉さんは、店の看板を下ろしてお休みにしてくれた。

何十分経ったのだろう。

あたしはやっと、泣き止んだ。

でも、心ではずっと泣いてる。

泣き止めない。

胸が痛い・・・



痛い・・・



痛い・・・

昔、詩織が聖也を好きで聖也も詩織が好きなんだなって、気付いて時より痛い。


きっと、聖也が詩織を追いかけるのをまじかで見たから・・・

二人の仲の良さを見せ付けられたから・・・