2人の所属していた傭兵会社は連合軍のダミー会社で、2人はある任務の為に、クーロンで、プラント艦の護衛艦隊に潜り込んでいた。

 本当の所属は、銀河連合軍戦略航宙艦隊であった。情報部とも密な関係にある軍の組織だった。クーロンも実は連合軍の最新鋭情報偽装艦ターポン改と言うのが正式な名称だった。

 情報偽装艦は敵艦隊の戦闘情報リンクに潜り込み、システムそのものを直接攻撃する為の艦である。

 今回の作戦は、帝国で完成されたと言う新型戦闘情報リンクシステムに対する有効性を探る為に、企画されたものだった。

 もちろん、その事は帝国反乱勢力や、クーロン以外の傭兵艦隊は知らない事だった。

 そもそも、帝国反乱勢力は連合が後ろ盾をしている訳では無い。

 新造のプラント艦の情報も、連合側が提供したくらいだった。

 そのリーク情報を元にして、帝国が強襲作戦を行うに便乗しただけだった。

 最後のブンガクの仕掛けで、リンク上の艦船の操艦中枢まで扱う事が出来た。

 これはかなり有効に効いている。

 最後の操艦中枢の暴走は、新システムの誤作動と言う事で決着がついたと、情報筋から流れてきていた。

 クーロンの居た痕跡は殆ど残さず、情報操作出来たのは幸いだった。

 これで、帝国はシステムの開発に数年遅れるだろう。

 リーマン大佐は満足気に、報告ファイルを暗号化して、閉じた。