追いかけてその腕を引っ張る。
翔さんが驚いた顔をしてあたしを見つめる。
「自分ばっかり言いたいこと言って逃げるの?」
「何それ?俺がいつ君に」
「確かに最初のルールを忘れていたのはあたしの方だよ?
でもあんな言い方しなくてもいいじゃない」
「何が?」
「何がって..朝の事!!あたしがどんな思いで・・どんな気持ちで・・」
「それは..」
「答えられないの?あたしがどんな気持ちで今まで北原さんを待ってたのか!!
どんな..想いで」
どんな想いであのご飯を作り続けて待っていたか..
お揃いのお茶碗にしたか。
もっともっと距離を縮めたいって
そう思ったか
「じゃあ君は今俺がどんな気持ちでいるか知ってるわけ?」
え..
「それは...」


