年上王子様とのアリエナイ××①


そう言うと北原さんは


ぐいっと腕を引っ張って胸の中にあたしを入れた。



初めて抱きしめられたときと同じ

言い香り。

温かい体温。



「勝手なことされるとこっちが困るんだけど」


見下ろす視線が冷たい。


その視線に素直に

「ごめんなさい」


言葉が出てくる。


でも


「俺が簡単に許すと思ってる?」


そう言うとぐいっと腕を引っ張ってその場を強制退去させられた。

「おい、柚子!!」


背中から祐くんの叫び声が聞こえてきて、


そうだ

あたしまだ何もお礼も言えてない。

「北原さ、ちょっと待って!祐くんにお礼言ってきてもいいですか?」

恐る恐る聞いてみる。


「祐君?ああさっきのヤツ?」

「そう!あたし何も言わないで来ちゃって..」

「祐君ねぇ~」