年上王子様とのアリエナイ××①



久しぶりに聞く北原さんがあたしを呼ぶ声。



ずっと呼ばれたかった


“柚子”って


優しい声で。


「北原..さん」

「こんなところで何してんの?」


こっちに近づいてくる北原さんはどこか怒っていて。

声も、いつもよりも低いように感じる。


どうして..ここにいるの?


「何って・・海を・・北原さんこそ..」

「学校サボったって連絡来たから。で。そいつ誰?もしかして早速浮気?」

「柚子?」

不安げにあたしを見つめる祐くん。

「大丈夫だから」

心配かけまいと笑顔を向けるけど。

今あたし..ちゃんと笑えてる?


「慣れ慣れしく呼ばないでくれる?この子は俺のだからさ」