あたしバカだよね。 北原さんとの朝の事を忘れるためにここに来たのに。 常に北原さんの事を考えちゃう。 これじゃあここに来た意味がないじゃない。 ざーっと押し寄せる波も。 空気も。 全部全部北原さんと一緒に見たい 見てもらいたい 見せてあげたい 「柚子あのさ」 祐君が何かを言おうとしたそのときだった。 「柚子」