年上王子様とのアリエナイ××①


“君はあいつとは違う”



翔さんはそう言っていた。



「咲はあいつから逃げたんだ」

ぽつりと西山さんが零すように話を始めた。


「向こうのじいさんを説得して、何とか結婚を認めてもらって・・
でもあいつは仕事ばかりで帰って来ない日だってあった。
そして咲は裏で言われていたんだ、じいさんに。黙っていなくなって欲しいってな」


え?

おかしくない?


「でも認めてくれたんでしょう?」

あたしの質問に

「あぁ、表向きではな。でも本音ではそうは思っていなかったらしい。
あいつのいない時に何度も何度も連絡があったそうだ」


西山さんはあっさり答えてこう続けた。


「咲は次第にどうすればいいのかわからなくなっていた。
相談しようにもあいつはそのときは大学と仕事の手伝いが忙しく、
なかなか連絡がとれなくなっていた」

「そして結局はどうすればいいのか分からないまま
・・あいつは姿を消したんだ」

「え・・」

「今でもどこにいるか生きているかもわからない。
でも咲はもう・・きっともう・・」

「西山さ」

「だから俺はあいつが憎いんだ、あいつと出会いさえしなければ咲は..妹は」


西山さん..

「今回の計画もじいさんから話を聞いた時はおかしいと思ったよ。
狂ってるってな。でもあのじいさんは言ったんだ、そうまでして
翔を傍に置いておきたいってな。俺も咲を助けてやらなかったあいつが憎かったし。
じいさんも許せない。だからじいさんに従ってるフリして、二人を同時に復讐しようって思ったんだ。そうすれば咲もきっと
報われるんじゃないかって思って..でも..」