年上王子様とのアリエナイ××①



気がつくと引っ越し作業は終了していて

業者の人もいなくなっていた。



がらんと広々としたリビングに


ぽつりとあたしだけがいる。


電気もない真っ暗な部屋が

今のあたしの気持ちを映しているよう。



こんな時だからこそ

会いたいのに

ちゃんと抱きしめてほしいのに。


「翔さ・・」


ぽつりと名前をつぶやくと

呪文が溶けたように
こらえていた涙までが溢れてくる。


「会いたいよ・・あいた・・い」



自分の方を抱きしめて

翔さんのことを思い出す。