「翔様、大丈夫ですか」


本社に戻り、契約も無事にすんだ。


久しぶりに触る自分の席にゆっくりと腰を下ろしながらも

考えるのは先程別れた柚子のこと。





本当は今すぐにでも飛んでいきたいのに。


壊れるくらい強く抱きしめたいのに。


「好きだよ」って何回も何十回も囁いて


安心させてやりたいのに。


それが今はできない。

すべては・・あいつの..



「翔様、お調べいたしました。あのお方はやはり咲様の・・」

「そうか..」


憎んでいるのか。

だから俺に復讐をしにきたのか..

「翔様?」

「・・榊・・俺のあの時の判断は・・」