「柚子?」 この優しい声もそう。 いつのまにか大事になってしまった、翔さんの存在。 出会った時はそんな事ひとかけらも思ってなかった。 結婚してもうまくいくなんて思ってなかったもの。 「ふふっ」 小さく笑うあたしに 「なに?」 翔さんが耳元で聞いてくる。 「あのね、思い出したの、あたし達が初めて会った時のこと」 「あー何?柚子が泣きべそかいた時のこと?」 「ひっどーい!!!」 「あははは!」