誰が来ても開けちゃいけない
翔さんにそう言われたけれど、
相手がおじい様なら大丈夫だよね?
ゆっくりドアノブを押してドアを開けると
「こんばんは」
おじい様が深々とお辞儀をしてきた。
慌ててあたしもお辞儀をする。
髪の毛が全体的に白いけど、整った顔立ちと、凛と立つ姿が
妙に若々しさを感じさせる。
翔さんと..似てるな、やっぱり。
「夜分遅くにすまないね」
「いえ、どうぞ」
部屋に通そうとしたあたしに
「いや、君に渡す物があっただけだからね」
ニコッと見せる笑顔がとても優しさを含んでいる。
おじい様の事、翔さんはあまり好きじゃないような言い方だったけど。
でもとっても優しい人なんじゃ
「君にこれを渡しておこう」
スーツのポケットから取り出したのは一枚の白い封筒だった。
?なに、これ?